私は美術大学で彫刻を学ぶ事により、様々な素材に触れてきました。

そして素材自体が持つ元々の美しさに、非常に深い感銘を受けました。

私にとって素材はいつも、そのままの状態で完璧に美しかったので、その美しさを壊したくないと思いました。

それ以来作品を創る時は、第一に素材の元の姿や変化してゆく様を大事にしたいと思う様になりました。

私の一方的な想いで作品を創るのではなく、作品の媒体となってくれる素材の気持ちを大切に汲み取り、そこに自身の気持ちや作品が出来上がるまでの制作過程が溶け込む様な作品を創ろうと心掛けています。

 

私は主に鉄板を作品の媒体として用います。 鉄板に錆を発生させ、鉄の地肌と錆の濃淡を活かして作品を創り上げています。 鉄板を錆びさせて絵を描くという発想は、私が日本古来の【踏鞴(タタラ)製鉄】に影響を受けた時に思いつきました。踏鞴製鉄では森の木々や土の中の鉱物から鉄を創り出す事ができます。

地球に存在するすべてのものは幾度となく物質変化を繰り返し、様々な形に姿を変えてこの世に生き続けています。人の手によって造られた鉄も、いずれ時が経つと徐々に錆びてゆき、朽ちてその役目を終わらせる時が来ます。

本来、鉄は酸化している錆の状態が自然界にいた時の元の姿であり、人工的に加工された鉄の表面に錆が出来るのは、鉄が自然界に戻ろうとしている作用だと思います。

そう考える中で、私は人工物の中にも自然界の頃の記憶が宿っているのではないかと感じる様になりました。

人工物としての生命を終える時、錆びて朽ちていく中で自然界の記憶が蘇り、やがて 自然界の姿に戻ってゆく。

私は姿を変え生き続ける永遠の生命と記憶を作品上に表現しました。

 

【受賞】

2017/12 シェル美術賞2017展 入選

2017/02 奥出雲町たたら製鉄・玉鋼デザインプロジェクト 刃物デザイン採用

2016/07 TAGBOAT INDEPENDENT 審査員特別賞

2016/07 TAGBOAT INDEPENDENT テグアートフェア賞

 

【個展】

2017/11 YASUKA.M個展- / Gallery NU / 韓国

2017/07 YASUKA.M個展-Landscape in Memory- / Gallery DAM / 韓国

2017/04 YASUKA.M個展-sepia- / JINEN GALLERY / 日本

2016/06 YASUKA.M個展-鉄の記憶- / JINEN GALLERY / 日本

2015/04 流転-RUTEN- / CRS NY / アメリカ

 

【グループ展・アートフェア】

2017/12 シェル美術賞2017展 / 国立新美術館 / 日本

2017/02 奥出雲と鉄 たたらと玉鋼 / Spiral / 日本

2016/11 DAEGU ART FAIR 招待参加 / 韓国

2016/07 TAGBOAT INDEPENDENT / ヒューリックホール / 日本

2016/05 SICF17スパイラルホール / 日本

 

【経歴】

多摩美術大学美術学部彫刻学科 / 卒業